過去10年間で、ARMアーキテクチャは、世界で最も普及しているアーキテクチャの1つとなり、携帯電話から車載ブレーキ・システムまで、多様な製品に組み込まれたARM搭載プロセッサは20億個を超えました。半導体会社や製品設計会社に属するARM開発者の世界的なコミュニティには、ソフトウェア開発者、システム設計者、ハードウェア・エンジニアが参加しています。今日まで、そのようなARM搭載システム向けのシステムやソフトウェアを開発するニーズに、直接対応する本はありませんでした。その溝を埋めるのが、本書です。
本書は、ソフトウェアに明確な重点を置き、ARMコアの動作を開発者の視点から包括的に説明しています。そして、効率的なARMソフトウェアをC言語とアセンブリ言語で記述するだけでなく、コードを最適化する方法も示します。記載されているサンプル・コードはすべて、商業用製品に組み込んだり、プロダクティブ・ソフトウェアを短時間で開発するテンプレートとして使用したりすることができます。
本書は、ARM命令セット、Thumb命令セット、それにIntelのXScaleプロセッサについて述べるほか、ARMアーキテクチャ各バージョンの主な違い、DSPアルゴリズムの実装方法、例外と割込みの処理、ARMコアに関連するキャッシュ技術、最も効率的なメモリ管理テクニックについて説明しています。最終章では、ARMv6、すなわちアーキテクチャのDSP機能とメディア処理機能を改善するために変更された最新の命令セットについて検討しながら、ARMアーキテクチャの将来に期待を寄せています。 |