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2004年05月18日

英ARM社、初の統合型マルチプロセッサ・コアを発表
− NECエレクトロニクス社との順調な提携により生まれた初の製品スケーラブルなマルチプロセシングの利点を、コンフィギャブルで使いやすい実装形態で提供 −

アーム株式会社

32ビット組込みRISCプロセッサ・ソリューションのリーディング・プロバイダである英ARM社(本社:英国ケンブリッジ市、日本法人:横浜市港北区、代表取締役社長:石川 滝雄)は、米国カリフォルニア州サンノゼで開催中のEmbedded Processor Forumで、NECエレクトロニクス株式会社との提携の一環として開発した、新しい形態のプロセッサを発表しました。この論理合成可能なMPCore(TM)マルチプロセッサは、ARMv6アーキテクチャを採用、1〜4個のプロセッサで構成され、最大2600 Dhrystone MIPSの性能を提供します。また、Adaptive Shutdown(TM)技術とARM(R)インテリジェント・エネルギー・マネージャ(IEM)技術の実装により、消費電力を最大85%削減します。ARMは、MPCoreマルチプロセッサのライセンス供与を本日より開始します。NECエレクトロニクスは、このコンフィギャブルARMプロセッサを、民生エレクトロニクス市場、車載機器市場、モバイル機器市場の高性能、低消費電力製品に使用する予定です。

この新しいARMマルチプロセッサ・ソリューションは、同クラスのシングル・プロセッサ・ソリューションに比べ、低い周波数で高い性能を提供します。このため、システム設計者にとって大幅なコスト削減となります。マルチプロセシングは、家庭や自動車内で使用されるコンシューマ・エンタテイメント機器、コンバージェンス機器をはじめ、複数のタスクを同時に実行する厳しい要件のアプリケーションに最適です。例えば、複数のテレビ・チャンネルを録画しながらインターネット経由でホーム・ビデオを公開するセットトップ・ボックス、自動車の後部席でビデオ・ゲームを同時に楽しめるカーナビ・システムなどです。

MPCoreマルチプロセッサは、最大4ウェイのキャッシュ整合型SMP(対称マルチプロセシング)、最大4ウェイのAMP(非対称マルチプロセシング)、またはそれらのいかなる組み合わせにも対応します。この柔軟性が、処理能力とシステムの反応性を向上させるほか、既存アプリケーショの完全な移植性、マルチスレッド・アプリケーションに対応するスケーラブルな性能を実現します。複数の負荷に対応できる能力は、多数のパケット・ストリームを高データ処理能力で対応するというネットワーク機器のニーズを満たします。

ARMの最高技術責任者(CTO)であるMike Mullerは、次のように述べています。「マルチプロセシングは、システム設計者に、非常に高い処理性能と低消費電力の両方を提供します。ARMがNECエレクトロニクスとのパートナーシップによって開発したMPCoreマルチプロセッサは、このスケーラブルなマルチプロセシングの利点を、コンフィギャブルで使いやすい実装形態で提供する画期的な製品です。当社は、革新的なIPの開発に取り組むことで、パートナーの皆様に、民生エレクトロニクス市場やネットワーク市場において、最先端のデジタル製品を生産し、エンドユーザに充実した機能を提供していただくことを目指します。これらの市場は、ARMアーキテクチャの採用が大幅に伸びると期待される分野です」

NECエレクトロニクスの橋本 浩一 副社長は、次のように語っています。「高性能、低消費電力のMPCoreマルチプロセッサの発表は、ARMとの協力を継続する中で画期的な出来事です。MPCoreマルチプロセッサにより、当社は、ワイヤレス・モバイル機器、家庭用機器、車載機器の各市場で、次世代のマルチメディア処理アプリケーションに対応する高性能で低消費電力のソリューションを提供できます。この革新的なIPにより、当社は、最先端のMPCoreマルチプロセッサ・アーキテクチャに基づく効率的なソフトウェアの再利用が可能なスケーラブルなシステム・ソリューションをお客様に提供し、次世代デジタル機器に対応する真のシステムLSIソリューションを実現できます」


主な特長
MPCoreマルチプロセッサは、ARMv6アーキテクチャを採用し、次世代のリッチなマルチメディア機器やコンバージェンス機器に対応するSIMDメディア拡張、およびARM Jazelle(R) Javaアクセラレーションを備えています。また、修正MESIプロトコルでキャッシュの整合性をとった1〜4個のプロセッサを実装し、コンフィギャブル・レベル1キャッシュ、64ビットAMBA(TM) AXIインタフェース、ベクタ浮動小数点コプロセッサ、プログラマブル割込み分配機能なども備えています。使用していないプロセッサのAdaptive Shutdownに対応しているため、汎用130nmプロセスの場合、キャッシュを除く動的な消費電力が0.57mW/MHzにまで抑えられます。ARMインテリジェント・エネルギー・マネージャ(IEM)は、必要な性能を動的に予測し、電圧と周波数を下げることにより、さらに消費電力を引き下げます。MPCoreマルチプロセッサは、システム設計者にコアを1つの「ユニプロセッサ」と考えさせることで、開発を簡略化し、製品化期間を短縮します。


ソフトウェアおよびOSのサポート
MPCoreマルチプロセッサは、SMPとAMPの両方のソフトウェア・モデルに対応します。また、幅広いOS(オペレーティング・システム)とアプリケーション・ソフトウェアにも対応します。

米モンタビスタソフトウエア社のプロダクト・マーケティング・ディレクタであるGlenn Seiler氏は、次のように語っています。「革新的な電力管理機能を備えた新しいARMマルチプロセッサ・コアにより、機器メーカは高性能アプリケーションの提供が可能となります。開発者は、この技術と、MontaVista Consumer Electronics Editionのダイナミック・パワー・マネジメント機能、および対称マルチプロセシングに対するLinuxのネイティブ・サポートによる強力な相乗効果を評価するでしょう」

アクセラレイテッド・テクノロジー、メンター・グラフィックス組込みシステム事業部のマーケティング・ディレクターであるRobert Day氏は、次のように語っています。「MPCoreマルチプロセッサは、複雑で高性能な機器開発のために業界が求めている技術です。当社は、MPCoreマルチプロセッサの技術と一貫性を持たせて、Nucleus PLUS RTOSに組み込むマルチプロセッサ・インタフェースを開発する予定であり、このプラットフォームに対応するNucleus(R)オペレーティング・システムをリリースすることを楽しみにしています」

スウェーデン王立工科大学(KTH)のコンピュータ・アーキテクチャ学教授であるMats Brorsson氏は、次のように語っています。「KTHでは、MPCoreマルチプロセッサでサポートされているのと同様のアダプティブ・シャットダウン技術を使用した組込みシステムにおけるマルチプロセッサ設計の省エネルギーと高性能な利点に関し、複数の論文を発表しています。当大学は、SMPアプリケーションの開発を簡易にするOpenMPコンパイラ技術をARMに移転したことで、予測したとおりのマルチプロセッサ技術の利点を実証しています」

提供時期
ARMは、本日よりMPCoreマルチプロセッサのライセンス供与を開始します。ファースト・シリコンは、2005年第2四半期の予定です。Linux 2.6 OS搭載MPCoreマルチプロセッサおよび開発ツールに対応する評価システムも既に提供中であり、MPCoreマルチプロセッサ設計向けのソフトウェア開発が早期に開始可能です。


以上


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