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2006年5月18日

ARM、ディープ・エンベデッド・システム向けの次世代プロセッサを発表
Cortex-R4が組み込み市場に最適な性能とコンフィギュラビリティを提供

アーム株式会社

英ARM社(本社:英国ケンブリッジ、日本法人:横浜市港北区、代表取締役社長:西嶋貴史、以下ARM)は、現地時間の5月15日、米国カリフォルニア州サンノゼで開催されたスプリング・プロセッサ・フォーラムで、次世代の携帯電話、ハードディスク・ドライブ、プリンタ、車載機器設計に対応し、組み込み市場で10億個以上のデバイスをターゲットとする新しいCortex™-R4プロセッサを発表しました。Cortex-R4プロセッサは、次世代の組み込み製品において複雑な制御アルゴリズムとリアルタイム処理を実行するための卓越した性能と効率を提供します。

Cortex-R4プロセッサは、論理合成時において、メモリ保護ユニット、キャッシュ、密結合メモリ(TCM)等を最適化して、さまざまな組み込みアプリケーションに対応できる優れたコンフィギュラビリティを備えています。また従来からのARM®命令セットの互換性は維持され、アプリケーション開発者やサードパーティ各社は、ソフトウェアに対する既存の投資を最大限に再使用できます。

米Forward Concepts社の社長兼主任アナリストであるWill Strauss氏は、次のように述べています。「低消費電力、低コストのARMプロセッサは、長年、組み込みマイクロプロセッサ・アプリケーションで最も人気の高いアーキテクチャです。ARMは、顧客の声をよく聞き、次世代の設計課題に対応する製品としてCortex-R4プロセッサを開発しました。市場のスイート・スポットを探し当て、その市場に最適なソリューションを提供するというARMの伝統を守っていると言えます。」

Cortex-R4プロセッサの優れたコンフィギュラビリティは、以下をはじめとする重要な市場向けに明確な利益をもたらします。

• 3Gスマートフォン設計において、Thumb®-2命令セットによって大幅に性能を高めたCortex-R4プロセッサは、3Gベースバンド・モデムで従来2個のプロセッサで処理されていた役割を1個のプロセッサで果たします。これにより、従来と同じ処理を実行しつつ、コストと複雑さを抑えます。
• ハードディスク(HDD)市場では、最適化された密結合メモリ(TCM)により、コスト削減と共に反応の速い、小型で効率的な製品を実現します。
• プリンタ市場では、Cortex-R4プロセッサが、同じ消費電力で性能向上とコスト削減を可能にします。このためベンダ各社は、同じ価格で新しい特長や機能を加えることができます。
• 車載機器では、人命にかかわる製品の耐障害性とともに、最新版のOSEKリアルタイム・オペレーティング・システムに対応するメモリ保護機能を提供します。これは、多様なペリフェラルとともにリアルタイムで動作しなければならないエンジン管理システム用のシステムオンチップ(SoC)デバイスを構築する上で重要な要素です。

ARMのプロセッサ部門マーケティング副社長であるJohn Cornishは、次のように述べています。「組み込み市場は、製品の進化、高機能化により、システムがより複雑化し、ソフトウェア負荷が急速に増大しています。当社のCortexプロセッサ・ファミリの最新製品であるCortex-R4プロセッサは、卓越した性能、効率、コンフィギュラビリティにより、次世代の組み込み製品のニーズに対応します。そして、チップ設計者に対し、3G携帯電話、ハードディスク・ドライブ、画像処理/車載システム等を開発する比類のない能力を与えます。」

Cortex-R4プロセッサは、組み込み市場の多様なニーズに対応するために従来以上の高性能化が図られております。2つの命令を同時に発行できる高度なマイクロアーキテクチャを採用し、ARM Artisan® Advantage™ライブラリをベースとして性能で最適化した90nm実装では、600 Dhrystone MIPS以上の性能を発揮します。また、実装面積で最適化した90nm実装では、占有面積1mm2未満、消費電力0.27mW/MHz未満にて実装可能で、システム開発者にとって重要な課題であるコストと消費電力を削減します。

ARMはCortex-R4について、既に米ブロードコム社を含め3社のリード・ライセンシを獲得しています。また、大手EDA、RTOS、ツール・ベンダによるプロセッサのサポートも得ています。

米ブロードコム社の研究開発担当副社長であるEd Frank氏は、次のように述べています。「当社の設計チームは、ARMと協力し、次世代ストレージ、ネットワーキング、モバイル機器など、多数の市場でリーダーシップの地位を確立しています。ARMの新しいCortex-R4プロセッサは、当社の製品の性能と機能を大きく高め、エンドユーザの使用環境をさらに快適にすることでしょう。」

Cortex-R4プロセッサ搭載システムの利点
ARMは、設計と製品化にかかる時間を短縮するため、新しいプロセッサをサポートする優れた設計環境を提供します。総合的なシステム・ソリューションには、開発/デバッグ・ツール、モデリング技術、フィジカル・セル・ライブラリが含まれます。

• Cortex-R4プロセッサは、組み込みシステムを短期間で開発するためのARM RealView® DEVELOPソフトウェア開発ツール・ファミリ、RealView CREATE ESLツール/モデル・ファミリ、CoreSight™デバッグ/トレース・テクノロジーによってサポートされています。
• 効率的な設計により、従来のARMプロセッサより低いクロック周波数で従来と同等の性能を提供し、最適化されたArtisan® Metro™メモリが組み込みシステムのサイズとコストのさらなる引き下げを可能にします。
• AMBA® Designer設計自動化ツールは、高度なAMBA相互接続サブシステムに対応する設計フローを提供し、実装コストの引き下げと製品化期間の短縮を実現します。また、AMBA 3 AXI相互接続(PL301)、コンフィギャブル・ダイナミック・メモリ・コントローラ(PL340)、スタティック・メモリ・コントローラ・ファミリ(PL350)、L2キャッシュ(L220)などのAMBA® 3 AXI™プロトコル対応ARM PrimeCell®ペリフェラルも、さらにプロセッサの性能を高めます。

Cortex-R4プロセッサは、ARMv7 ISAを実行し、世界中で何十億個ものシステムを動かしている既存のARMコードと完全な下位互換性を維持しています。また、これらの技術はThumb-2命令セットにも導入され最適化されています。このため、クロック低速化による消費電力の削減、性能向上による携帯電話および車載機器設計の高機能化、複雑なアルゴリズムに対応できる処理能力による高性能デジタル画像処理/ハードディスク・ドライブ・システムの実現など、多数の利点があります。

Thumb-2命令セットとARM RealView Development Suiteの使用は、オンチップ・メモリ・サイズを30%縮小し、システム・コストの大幅削減を可能にします。またThumb-2命令セットは、ARM946E-S™プロセッサ上で実行される従来のThumb命令セットに比べ、40%高い性能を発揮します。これは、チップ上でメモリが占める割合が大きくなるにつれ、SoCデバイスにプロセッサを使用するチップ・メーカにとって、実装面積とコストの大きな節約になります。

提供時期
ARM Cortex-R4プロセッサは、現在、ライセンスを供与しているほか、ほぼ全域にわたる技術サポートを提供しています。Cortex-R4プロセッサ用の命令セット・シミュレータ(ISS)とRealView Development Suiteツール環境は、現在、リード・ライセンシ、既存ライセンシに提供しているほか、要望に応じて一般にもリリースしています。

AMBA 3 AXI相互接続(PL301)、コンフィギャブル・ダイナミック・メモリ・コントローラ(PL340)、スタティック・メモリ・コントローラ・ファミリ(PL350)、L2キャッシュ(L220)など、完全なSoCソリューションを実装するための補完的な技術はすべて現在提供中です。


パートナー各社のコメント

米アメリカンエイリアム社のCEO(最高経営責任者)であるLarry A Traylor氏は、次のように述べています。「時間は短く、成果は大きく、というシリコン デザイン・チェーン上のプレッシャーは、当然ながらシステムのクオリティに影響を与えます。だからこそ、Cortex-R4プロセッサの柔軟性が非常に重要なのです。当社とARMとのパートナーシップは、高度なLinuxデバッグ機能を備えたJTAGエミュレータと、Cortex-R4専用に設計した高速ETMトレース・ポート・アナライザの提供を通じ、Cortex-R4プロセッサのコンフィギュラビリティの利点を最大限に生かします。」

米ケイデンス・デザイン・システムズ社のプロダクト・マーケティング担当副社長であるEric Filseth氏は、次のように述べています。「お客様は、論理合成段階での十分なコンフィギュラビリティを生かし、組み込みリアルタイム・システムを短期間で効率的に開発する柔軟性を求めています。拡張したリファレンス・メソドロジを含む当社のARMプロセッサ対応オプティマイゼーション・メソドロジ・キットは、Cortex-R4プロセッサを完全にサポートします。この最新のCortexプロセッサは、小型、高性能で優れたコンフィギュラビリティのソリューションをシステム開発者に提供し、ARMが常に業界をリードする革新的企業であることを改めて証明しています。」

米Express Logic社のCEO(最高経営責任者)兼社長であるWilliam E. Lamie氏は、次のように述べています。「ARMは、常に新しい業界トレンドを生んでいます。Cortex-R4プロセッサは、電子機器設計チェーンに属するあらゆる企業に可能性を提供します。既に3億個以上のデバイスに採用されている当社のThreadX RTOSは、Cortex-R4プロセッサ設計者に、機能性の高い開発プラットフォームを提供します。この小さなメモリ・フットプリントは、次世代のコンシューマ・テクノロジーにとって非常に重要です。Cortex R4プロセッサの驚異的な柔軟性は、ThreadXを通じて容易に利用することができます。」

米グリーン・ヒルズ・ソフトウェア社のエンジニアリング担当副社長であるDavid Kleidermacher氏は、次のように述べています。「ARMv7 ISAを採用したARM Cortexプロセッサ・ファミリは、卓越した実装面積対性能比を提供します。Cortexプロセッサ・ファミリと、グリーン・ヒルズのARM/Thumb-2コンパイラ、MULTI IDE、そして既にCortexファミリのプロセッサに移植され、実行されているINTEGRITY RTOSファミリの組み合わせは、開発者や機器メーカにとって非常に魅力的なソリューションです。」

独ローターバッハ社のジェネラル・マネージャであるStephan Lauterbach氏は、次のように述べています。「シリコン設計者は、長年、設計時間の短縮、設計の小型化、高性能化のニーズをすべて満たそうと苦労しています。設計のコンフィギュラビリティは、この課題を克服する上で非常に重要です。当社はARMと緊密に協力し、Cortex-R4プロセッサに対応するPowerDebug、PowerTrace開発ツールを提供し、変化するシステム開発者のニーズを満たします。」

米マグマ・デザイン・オートメーション社デザイン・インプリメンテーション・ビジネス・ユニットのファウンドリ&IPリレーションシップ部門バイスプレジデントであるMichael Ma氏は、次のように述べています。「設計エンジニアは、高性能で低消費電力のSoCアーキテクチャを提供する革新的で総合的なシステム・ソリューションを求めています。当社とARMは、完全なRTL-to-GDSII実装を通じてこれを実現します。Cortex-R4プロセッサのコンフィギュレーションの非常に柔軟な特性は、既存のARM-マグマ・リファレンス・メソドロジと完璧にマッチすることにより、ARMと当社共通のお客様の成功を確実にし、業界最先端のプロセッサとSoC設計を高速化する実証済みの設計メソドロジを提供するという両社の取り組みを維持します。」

米メンター・グラフィックス社のエンベデッド・システム部門ジェネラル・マネージャであるNeil Henderson氏は、次のように述べています。「最近のコンシューマ向け機器の設計では、最短時間で、さらに高性能、さらに低消費電力のプロセッサを市場化する必要性が高まっています。メンターは、このような設計上のニーズに対応するため、ARMと緊密に協力しています。Nucleus® RTOSとEDGE Tools™によるARMv7アーキテクチャおよびCortexプロセッサ・ファミリのサポートを含め、当社とARMの提携は、両社共通のお客様に効率的な方法で製品の目標を達成していただくという継続的な取り組みを実証しています。」

株式会社ソフィアシステムズのCEO(最高経営責任者)兼COO(最高執行責任者)である樫平扶氏は、次のように述べています。「ソフィアシステムズのEJ-Debug、EJ-Extremeデバッグ・ソリューションを使えば、設計エンジニアの皆様にARM Cortexファミリを搭載した次世代のハンドヘルド機器を短期間で容易に開発していただくことができます。Cortex-R4プロセッサは、論理合成段階でさまざまなアプリケーションに応じて構成できるため、さらに革新的な設計を生み出すための選択肢を設計コミュニティに与えることになります。」

米シノプシス社のインプリメンテーション・グループ上席副社長兼ジェネラル・マネージャであるAntun Domic氏は、次のように述べています。「短い期間で難しい設計を完成させねばならないという設計者に対する絶え間ないプレッシャーにより、予測可能な設計フローの必要性が高まっています。ARMとシノプシスの長年にわたる実り多い提携は、Verification Reference Manual(VMM)、DesignWare®ライブラリのAMBA® 3 AXI™ IP、ARM Artisan®フィジカルIP、リファレンス・メソドロジ(RM)など、このような課題に対応する多くの共同開発ソリューションを生んできました。これに続く新しいCortex™-R4プロセッサ対応ARM-Synopsys Galaxy RMは、Design Compilerのトポグラフィカル・テクノロジーを生かし、予測可能な設計フローにおいて一段と柔軟な設計を可能にすることにより、パートナー各社が厳しい市場需要に迅速かつ効率的に対応するのに貢献します。」


以上


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